ありがとう、篠山紀信さん『婦人公論』表紙を撮り続けて 高橋惠子「女優としてどれだけちゃんと生きているかを見られている気がして」

2012年から全国を巡回した写真展『篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN』の会場にて。背景は『婦人公論』の表紙インタビュー企画のために撮影された樹木希林さんのポートレイト。「こうして展示できるのは人との縁のおかげ」と篠山さんは語っていた(2019年 撮影◎清水朝子)
写真家・篠山紀信さんが、2024年1月4日に逝去しました。今年創刊108周年となる『婦人公論』の表紙は数々の著名な画家や写真家の作品で飾られてきましたが、篠山さんは、1998年3月22日号の大判・隔週化したリニューアル号から2021年9月28日号まで、23年間542号分の表紙撮影を手がけてくださいました。本企画では、篠山さんを偲び、魅力あふれる表紙の一部と、篠山さんと深いご縁のあったお二方より寄せられた言葉を紹介します

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過去の『婦人公論』表紙がずらり。2008年 氷川きよしさんも着物で登場!

時代の空気と「目」に宿る力――女優 高橋惠子さん

スタジオに入るといつも、篠山さんは昨日会ったばかりのような雰囲気で迎えてくださいました。

デビューしてかれこれ50年、私の人生の紆余曲折をご存じですから、「北海道の原野育ちの野生児がこんなに立派に成長して!」と言って現場を和ませてくださったのも楽しい思い出です。

いざカメラの前に立つと、いい緊張感を引き出してくださる。「女優としてどれだけちゃんと生きているか」を見られている気がして、自分が持っている最高のものを出そうと精一杯臨みましたし、それをいい写真にしていただけるという信頼感が厚かったです。

『婦人公論』2013年4月7日号(モデル:高橋惠子)

篠山さんはポートレイトやヌード、古典芸能や建築、アートなど一流のものを撮り続け、つねに時代の空気を作品に込めていた。篠山さんの「目」には、他の人にはない力があったのではないでしょうか。

『婦人公論』の撮影中、「やっぱり女優だよな」とおっしゃったことがあって。篠山さんの言う「女優」という響きに込められたものを思うと、とても嬉しかった。あの言葉は私の宝物になっています。(談)

〈篠山紀信さん撮影 表紙ギャラリー・1〉

右から、1998年3月22日号/モデル:松田聖子。1998年8月22日号/モデル:黒木 瞳。1999年5月7日号/モデル:松たか子

右から、2002年7月22日号/モデル:林 真理子。2002年12月7日号/モデル:ジャンヌ・モロー。2003年10月7日号/モデル:夏木マリ

右から、2005年5月7日号/モデル:松坂慶子。2006年5月7日号/モデル:樋口可南子。2007年10月7日号/モデル:小林聡美

右から、2010年2月7日号/モデル:オノ・ヨーコ。2010年8月22日号/モデル:黒柳徹子。2010年9月22日号/モデル:桐野夏生

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