高島礼子×藤原紀香×剛力彩芽 男装あり、宙吊りあり…さまざまな挑戦を、息ぴったりの三姉妹が演じる『メイジ・ザ・キャッツアイ』

左から剛力彩芽、藤原紀香、高島礼子(撮影◎本社 奥西義和 以下すべて)
昨年150周年を迎えた明治座では、その記念として豪華キャストによる舞台『メイジ・ザ・キャッツアイ』の公演が予定されています。藤原紀香、剛力彩芽、高島礼子、の3人が北条司原作『CAT’S EYE』でお馴染みの怪盗3姉妹、次女・瞳、三女・愛、長女・泪(るい)をそれぞれ演じることになりました。3人には、今回の舞台の見どころ、役への思い入れ、衣装などについてざっくばらんに伺いました。

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【写真】圧巻!豪華出演陣が勢ぞろい

いい1年になると感じさせるようなパワーのある作品

高島 :これを年の初めに観た方は2024年が間違いなくいい1年になると感じさせるようなパワーのある作品ですね。

紀香 :お芝居のみならずダンスに歌にショーにアクションに、そして人生初の宙乗りに!とにかく盛り沢山で「我ら、頑張らないと!」って話しています。(笑)人を楽しませるって、本当に大変なことなのだと日々実感しながら、お客様が笑顔になっていただける姿を想像して奮闘中。

剛力 :私も台本を最初に読んだ時はステージに立つ側より、観る側にまわってしまって「これは最高の舞台だろうな!」と思いました。衣装も本当に素敵ですよね。明治ならではの洋装と和装が混じったようなデザイン。私は着物にレースとか袴も身に着ける予定です。

紀香 :はいからさんの時代ね。愛ちゃん(剛力さんの役名)は、明治の女学生だもんね。

剛力 :そう、私は学生なんです。最近さすがに学生の役をいただくことは少なくなっていますから、この機会に楽しもうと思っています。

紀香 :明治時代は文明開化もあり、西洋の文化が入ってきて女性たちもハイカラなオシャレをし始めた時。“モガ”なテイストも取り入れたり、夜会巻きなども。衣装も音楽も和洋折衷な時代で、皆でアイデアを出しながら作り込むのも楽しくて。

この(記者会見の日の)ドレスはそんなイメージを盛り込んで、京都のデザイナーYoshiko Kitanoさんに作っていただいたもの。振袖をあしらったドレスは作ったことがあってもズボンのオールインワンスタイルに振袖をつけたのは初めてだとおっしゃっていました!

高島 :私たち、記者会見のためにそれぞれ相談していなかったのにも関わらず、今日、現場でお互い会ってみたら、和の花柄でみんなテイストが合っていたんです。息がピッタリで驚きましたね〜。

剛力 :本当に!

時代考証が面白い

紀香 :ビジュアル撮影の時は、みんな着物の中にボディースーツを着ていました。今回は明治時代のキャッツアイなので、明治ならではの和洋のミクスチュア満載の戦闘服になると思います。お楽しみに♪

明治は、男女の関係も現代よりももっと奥ゆかしい時代。キスも「接吻」。嫁入り前の娘が恋人と手を繋ぐこともハレンチとされている時代ゆえ、私と恋人である俊夫との関係も原作よりますます奥ゆかしく。

剛力 :時代考証が面白いですよね。愛ちゃんは一人称「僕」がトレードマークですけど、この時代はもしかして「拙者」って言ったほうがいいのか?とか最初に演出の河原さんがお話ししていました。(笑)

一人称「僕」がトレードマークの3女・愛役の剛力彩芽さん

高島 :明治時代の香りもしつつ、古臭いものではない脚本でしたね。ここに河原さんがどう演出をつけられていくのか、完成が楽しみです。私は原作のある作品に個人的にはすごく緊張してしまう性質。

原作ファンの方のイメージを壊してはいけないというのがありますから。過去にも北条先生の『エンジェル・ハート』の実写版を演じましたが、喋り方とか人物描写に細心の注意を払っていたことを思い出します。

剛力 :私にとってキャッツアイといえば、あの有名な「見〜つめるキャッツアイ♪」という曲。ただ原作漫画は読んだことがなかったので、漫画好きとしては『CAT’S EYE』だけでなく北条司作品をこれからすべて読み漁ろうと思っています!

紀香 :私は物心ついた頃から北条司先生の作品が身近にありました。11くらいの頃かな、『キャッツ・アイ』のアニメを見て、猫のようなしなやかな3姉妹の動きをマネして遊んだり、踊っていたり。ちょっと大人の世界だなぁと憧れていました。北条先生の描く主人公たちは、快活だけどそこにユーモアと色気が溢れていて!

大切に繊細に演じていきたい

高島 :色気といえば、私が演じさせていただく泪姉さんですよね〜。演じさせていただく私は、せっかちで天然ボケって言われていますので、冷静沈着な泪姉さんからは程遠い。まあ、色気って自分でどうこうするモノじゃなくて他人様が判断するものですけど…。

私は最近、年をとって大人になるどころかUターンして幼くなったところがありますから。ただ役者としては、自分と程遠いキャラクターの方が演じやすいのはあります。

ネタバレになっちゃうんですけど今回の役どころでは、男装などもありまして、河原さんを通して宝塚出身の美弥るりかちゃんに色々と教えてもらおうと約束を取り付けました。詳しくはヒミツですので、その成果はぜひ舞台を見にきてください。

今回、男装にもチャレンジしたという長女・泪役の高島礼子さん

紀香 :私は90年代に、映画で泪姉さんを演じさせてもらいましたが、当時は若かったので役作りはかなり「大人っぽくしなきゃ」なんて頑張っていた思い出が。(笑)

今回は、舞台で瞳としてのお役。活発で負けず嫌いなところもあるけれど、キャッツアイとしての使命と、幼馴染みで、刑事である恋人トシとの間で揺れ動く女心を大切に繊細に演じていきたいと思います。

剛力 :私も愛ちゃんはボーイッシュなところが自分に合っている気がしています。理系で機械に強いっていうところは私にはない特徴ですが、性格だったり男勝りなところが似ています。

「僕」って自分のこと呼んでいる女の子にも憧れていた時がありますね。逆に似ているところが多いので、意識して、“剛力彩芽”ではなくちゃんと「愛ちゃん」として舞台に立たないとと思いました。

紀香 :本当にピッタリ!可愛い妹!

剛力 :嬉しいです!

好きなことをするのも大事

高島 :かもめんたるの岩崎う大さんの本は、シリアスな路線から笑いまで盛り込まれていて、演じ甲斐がありそうです。今回はオリジナルストーリーということなので、今までのイメージに捉われすぎずに脚本と演出の2人の描くキャッツアイの世界、それに身を委ねていきたいですね。

紀香 :お稽古三昧の日々が本格的に始まってるけれど、稽古場めちゃくちゃ乾燥してますよね?!

高島 :そうなの。喉が心配よね。

紀香 :私、加湿器を持参していきますよ!みんなでモクモクしましょう!

剛力 :嬉しい〜!私、最近あまり美容に時間割いたりできてないんですよ。ダラダラ漫画を読む時間が1番好きで。定期的に通っているのはピラティスくらいですかね。去年までは肌荒れしていたのでクリニックにお世話になっていたのですが、それが落ち着いたので今は好きなことばかりしています。

紀香 :ルーティーンとかは?

剛力 :ルーティーンも特にないんですよ。あ!でも野菜がもともと好きなので野菜だけはたくさん食べていますね。それぐらい…。

紀香 :好きなことをするのも大事よね。

高島 :私も、美容に関して今まで何もやってこなかったんですよ。だから、今更ですけど「何かやりたい、何かやらねばならない」と思っていて、詳しそうな人を見つけると飛びついて質問攻めにする、というのが最近の日課です。

ストレスを溜めないようにする

紀香 :泪姉さん、今まで何もやってこなかったのが嘘みたいに、素肌もお綺麗!

高島 :全然です、あ、肌のケアももちろん興味があるんですけど、実はこの年になっても身長を伸ばすことができるという情報も耳にしてまして…!

紀香 :そうなんですよ、実は私も最近伸びたんです。(笑)

剛力 :えー!私も身長伸ばしたいです。絶対教えてください!

高島 :やっぱり美容情報は体験した本人に聞くのが1番だと思います。紀香ちゃんは何をやっているの?

紀香 :私はもともと巻き肩で、疲れて放っておくと姿勢が悪くなってしまい呼吸も通りにくくなるので背筋を伸ばすための柔軟はいつでも欠かせないですね。それから、原稿のことやセリフを覚えるときには水素カプセルに入ってやっていますね。

ちょっと覚えがいい気がしています。今は、衣装合わせなどは朝からで、稽古はそこから晩までなのでなかなか入りに行けなくて。夜中に開いてるお店があればいいのにといつも思います。(笑)

セリフを覚えるときは水素カプセルに入っているという次女・瞳役の藤原紀香さん

高島 :えーやっぱり紀香ちゃんはすごいことやっているのね!私が心がけているのはとにかく笑うこと。笑っていると、笑えないことでもそのうち本当に笑えてきて乗り越えられるように思うんです。

紀香 :ストレスを溜めないようにすることが1番ですよね。

150周年ファイナルにふさわしい作品

剛力 :この公演では頼りになる姉ができて嬉しいです。私の本当の姉は童顔の上、幼い雰囲気で、私がいくら「姉です」と言っても妹と間違えられる人。30代に入ったら現場に年下の人が増えてきてしまいました。今回の舞台は、甘えられる妹の立ち位置なのがありがたいです。

紀香 :私も弟しかいないので、『細雪』など姉妹ものの作品は大好きで。今回も3姉妹を演じられることが嬉しいです。

高島 :私には実際に姉がいるんですけど、威張っている妹の私に「そうね、そうね」と頷いてくれる大人な姉です。私は姉妹ものだと姉の役をいただくことが多くて。前回の明治座で石井ふく子先生演出の『おんなの家』の時も長女役でした。偉そうだからかな。(笑)

姉妹って1番傷つくことも言えるし、他の人が言えないようなことを愛しているから言える存在なのかなと私は思っていて。今回のキャッツアイも、そういうところがちゃんと描かれている脚本だなと思いました。

紀香 :この作品のテーマの1つは、家族愛ですよね。

高島 :そう、愛と、そして私は「祭り」がテーマかな、と。150周年ファイナルを飾るのにふさわしいド派手な作品でしょう?

紀香 :台本開き冒頭から和太鼓、笛、三味線などの江戸からの文化の楽器も使われたり、鹿鳴館さながらのパーティのようなものがあったり、最初から最後まで盛り上がっていくだろうなと思います。

剛力 :本当に華やかでワクワクする作品ですよね。

高島 :私たち3姉妹もお客様も、その祭りに参加するような感じですね。

紀香 :そうですね、この新春の華やかなお祭りに、多くの方にぜひご参加いただきたいですね。

舞台「メイジ・ザ・キャッツアイ」は東京・明治座で2024年2月6日~3月3日上演中(写真提供◎明治座)

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