何百万人の夢の中に同じ男が現れたのはなぜ? 思いがけず有名人となった大学教授が経験する“どん底” 「ドリーム・シナリオ」を採点!

〈あらすじ〉

 大学教授のポール・マシューズ(ニコラス・ケイジ)は、妻と2人の娘たちと平凡な日常を送っていた。

 ある日、何百万人という人々の夢の中に、なぜか一斉にポールが現れた。瞬く間にインターネットで拡散、ポールは一躍有名人となる。メディアの取材を受け、学生の見る目も変化、夢だった本の出版まで持ちかけられる。

 ところが、夢の中のポールが様々な悪事を働き始めたことで事態は急変。学生は授業をボイコット、家族への嫌がらせも激しくなり、居場所がなくなっていく。

〈解説〉

『ミッドサマー』のアリ・アスター監督が製作、『シック・オブ・マイセルフ』のクリストファー・ボルグリが監督・脚本・編集を手掛けたスリラー。地味な主人公が、夢によって人生の絶頂とどん底を経験する。102分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆作為が強い物語だが、さすがN・ケイジのオドオド演技が楽しい見もの。スリラーというより皮肉なコメディとして見た。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆夢と共同幻想の強引な相互乗り入れで話を成立させてしまう腕力に笑った。N・ケイジの下がり眉が、役柄にぴったりだ。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆冒頭から本人そっちのけの出来事が面白い。後半の欲望に走った哀れさも切実で笑える。だが夢に乗り込み可笑しさ消滅。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆名声/炎上という主題を視覚的な愉楽に巧く繋げ、N・ケイジの実力と旨味が発揮された。『アダプテーション』を想起。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆最近のケイジ出演の中でも狂気でメタで面白い。カウフマンの風刺とミルクセーキダックとトーキングヘッズの混合味。

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配給:クロックワークス
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ドリーム・シナリオ(米)
11月22日(金)より全国公開
https://klockworx-v.com/dream-scenario/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年11月21日号)

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