Number_i『紅白』初出場も「ズマズマ」でお茶の間「冷え冷え」か? 音楽評論家が語る“ヒップホップ路線”傾倒の要因

 

 11月19日、平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太による3人組グループ「Number_i」が、大晦日の『第75回NHK紅白歌合戦』に初出場することが発表された。

 

「Number_iは、2024年1月に『GOAT』でデビューして以降、多くの歌番組や音楽フェスティバルに出演していたので、そうした活動が評価されたのでしょう。3人は2018年から2022年に『King & Prince(以下、キンプリ)』メンバーとして出場しましたが、新しいグループでは初めての紅白となります」(芸能記者)

 

 

 初出場が発表されると、Xでは3人の楽曲に期待する声が見られた。

 

《紅白何歌うんだろうなぁ。最新曲のINZMかな。紅白だし「和」のBONかな。やっぱデビュー曲のGOATかな》

 

《パフォーマンスはやっぱり日本ぽさがあるBONなのか、デビュー曲GOATなのか、またもや、INZMでズマズマさせるのか… できればメドレー求む…》

 

 その一方で、こんな懸念も多い。

 

《お茶の間冷え冷えになりそう》

 

《今年のテーマは「あなたへの歌」らしいけど、ボンボン、ズマズマって歌なのか疑問だ 私は聞いたことないけど、旦那が聴いたらしくて「何歌ってるか意味不明なんやけど、紅白のテーマにあってんの?」って言ってきて笑った》

 

 Number_iの楽曲と『紅白』との“ミスマッチ”を心配する声も見受けられている。

 

 3人の曲について賛否が分かれる背景を、前出の芸能記者はこう語る。

 

「キンプリ時代は、デビュー曲の『シンデレラガール』を筆頭に“王道アイドル”のイメージが強かったのですが、Number_iではヒップホップ調の楽曲が多い印象です。とくに、8月にリリースした『INZM(イナズマ)』は、サビの部分で曲名を連呼する独特の楽曲のため、SNSでもファンの意見が分かれました。

 

 また、彼らの楽曲は“3人で上を目指す”といった趣旨の言葉を多く取り入れており、自己主張が強く感じられます。こうした音楽性が、中高年層が主要な視聴者である『紅白』と合うか、疑問を抱く人もいるようです」

 

 アイドルだった3人が、なぜ“ヒップホップ路線”に傾倒しているのか。音楽評論家の馬飼野(まかいの)元宏氏は、キンプリ時代からその予兆はあったと指摘する。

 

「キンプリ5人時代の曲を聴いても、2022年6月のアルバム『Made in』の収録曲である『ichiban』など、ヒップホップナンバーも多かったのです。ただ“王道アイドル”として売りたい事務所の、明確な戦略があったのか、ヒップホップ路線ばかりとはいかなかったのかもしれません。

 

 Number_iとなってからは近年、勢いのあるK-POPを横目で見ており、キンプリの後輩グループである『Travis Japan』が洋楽テイストの楽曲を出したこともあって、ヒップホップへの思いを強めていったのでしょう」

 

 かねてから新しい路線を模索していたところに、新天地へ移ったことで、自分たちの望む音楽を突き詰めていったようだ。Number_iは2025年1月で、デビュー1周年を迎える。そんななか、こんな期待もあるという。

 

「デビュー以降、ヒップホップのダンスに重点を置き、キンプリ時代からやっているダンスをよりハードに見せ、海外に挑戦したいという意思が結びついていると感じます。今後は、歌に重点を置いたメロディのあるヒップホップの曲を出してもいいと思います。

 

 3人が、曲のアイディアを出すだけでなく、リリック(歌詞)も手がけるようになれば、既存のファンのみならず、ヒップホップ系のファンに受け入れられるかもしれません」(馬飼野氏)

 

『紅白』出場を機に“ナンバーワン”のグループになれるか──。

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