『水ダウ』3週連続出演した「ひょうろく」芝居なのに罪悪感から本当に心臓がバクバクする “仕掛人” 魂
5月8日放送回から3週連続で『水曜日のダウンタウン』(TBS系)にお笑い芸人の、ひょうろくさんが出演していました。
ひょうろくさんは細身のスキンヘッドで、1度見たら忘れられないインパクトのある顔なので、視聴者に強烈な印象を残し、『ひょうろく』がSNSでトレンド入りするほど。
同番組の出演はいずれもドッキリ企画で、1週目・2週目はターゲット、3週目は仕掛け人でした。
1週目は「チーズをパスタに削ってかけてくれる店員が耳の遠いババアで『ストップ』と言っても一向に止めてくれなかったら最終的には物理で止めようとしちゃう説」。
ふだんからおどおどした感じでおとなしい性格のひょうろくさん。大量にチーズがかかり続けていても、強く「ストップ」と言えずアタフタしている様子がスタジオでウケていました。
2週目は「怪しい高額報酬バイト引き受けたら最後どんなに犯罪の匂いがする闇バイト風だったとしても、もう引き返せない説」。
先輩芸人のさらば青春の光・東ブクロさんから怪しいバイトを頼まれます。送られて来た手紙の指示にしたがって、ひょうろくさんがコインロッカーを開けると透明の袋にアルコール漬けされた臓器のようなものが入っていて臓器売買を連想させるものだったのです。(実際の中身は豚のハツ)
ロッカーから取り出す際に臓器のグロさで嗚咽したり、臓器を運びながら「あぁ、もう人生終わった」とつぶやいたりする素直なひょうろくさんのリアクションに、スタジオメンバーは大爆笑していました。
3週目は「ドッキリの仕掛人どんなにバレそうになってもそう易々とは白状できない説」。
今回はひょうろくさんがターゲットと見せかけて仕掛人で、仕掛人だと思っているお見送り芸人しんいちさんがだまされる逆ドッキリという形でした。
2人は心霊スポットでロケをするのですが、仕込んでいるオバケがいるところまで、しんいちさんがひょうろくさんを連れていこうとします。
しかし、ひょうろくさんが、わざとビビりまくって、なかなかお化けの場所までたどりつきません。ひょうろくさんが先に進まないことでドッキリが成立しなくなってしまうことを心配し、しんいちさんは「この道中は、なんにもない」とひょうろくさんに企画内容を白状してしまいます。
しんいちさんはひょうろくさんの演技にすっかりだまされていました。と言うのも、ひょうろくさんのビビりまくる様子が迫真の演技で、途中オシッコを漏らしたりもするのです。
いちばん驚愕だったのは、ドッキリのネタバラシをした後。スタッフから「あれホントのオシッコなんですか?」と聞かれたひょうろくさんが「あっ、ホントのオシッコです」と答えた瞬間でした。
てっきり番組側が用意した失禁に見せかける装置をつけているのかと思いきや、まさかのひょうろくさんのアドリブ演技で本当に漏らしていたのです。
役作りのために歯を10本抜いた三國連太郎さんを彷彿させる、ひょうろくさんの仕掛人魂に、スタジオの千原ジュニアさんも「スゲーひょうろく!」と絶賛していました。
筆者は以前、ひょうろくさんに、『水曜日のダウンタウン』に出演した際の舞台裏についてお話を伺っています。
ひょうろくさんが参加した企画は『芸人なら部屋に隠れてるドッキリの仕掛け人を笑わせることも可能説』。
部屋に隠れている仕掛人を笑わせることに挑戦したのが、さらば青春の光の森田哲矢さん。その助っ人として呼ばれたのがひょうろくさんでした。
――途中、森田さんが部屋から出ていった後に、残ったひょうろくさんが森田さんのタバコを勝手に吸ったり、森田さんの財布からお金を抜いたりしていましたが、あれは当然、森田さんからの指示ですよね?
ひょうろく「はい。本番前に森田さんにやり方を演出してもらいました。森田さんが実際に僕の役をやって、タバコを吸いながら財布からお金を抜いたりして。そのやり方を見てて『めちゃくちゃ面白い』と思ってワクワクしました」
――森田さんの演技力に感動したんですね
ひょうろく「はい。僕の感動した気持ちをみなさんに伝えたいと思って本番でやったんですが、悔しかったですね。放送を自分で見たときに『あ~、本当はもっと面白いのに』て」
――いや、ひょうろくさんの演技がうまくて面白かったですよ。キャラクターとのギャップがありすぎて、ちょっと怖かったですもん(笑)
ひょうろく「僕は演技ができないので、本当に森田さんのタバコを勝手に盗んで、本気でお金を盗もうと思いました。だから森田さんが帰って来たとき、心臓がバクバクで、本当になんか申し訳なくて」
芝居なのに罪悪感から本当に心臓がバクバクしてしまうというのは、憑依型の名俳優のレベル。ビビる演技で失禁するのもそうですが、ひょうろくさんは役者としても才能にあふれていると思います。もし森田さんが北野武さんのように将来映画を撮ったら、絶対に呼ばれること間違いありません。
インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人とライターの二足のわらじで活動している。
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