菊丸がNGKで初独演会 「上方林家」への思い語る

25周年記念独演会を初めてなんばグランド花月で開く林家菊丸(撮影・村上久美子)

脳梗塞を患い闘病が続く上方落語家、4代目林家染丸(69)一門の林家菊丸(45)が12日、大阪市中央区の吉本興業本社で、25周年記念独演会(10月27日、大阪・なんばグランド花月=NGK)を発表し、上方では少ない「上方林家」への思いを語った。

林家といえば、江戸。菊丸は「だからこそ、独演会だけではなしに、NGKにもつねに『林家』の看板を出せる(出演できる)落語家でいたいし、何か記念興行があれば『林家』として呼んでもらえるはなし家でいたい」と言い、秘めた思いが口をついて出た。

上方での林家は少ないとはいえ、染丸一門は大阪に根付き、吉本へ所属した落語家としては、文枝一門よりも、2代目染丸が先だった。菊丸は「吉本歴では2代目(染丸)が一番古い」との自負を持ち、師匠が闘病中ゆえ、兄弟子らとともに「林家」の屋号を守り、育てる決意がある。

菊丸は5年前、染弥から由緒ある名跡を襲名した。師匠から、入門時に「節目、節目に目標を立てて進め」と教えられた通り、10年で初の独演会を決意し、トリイホールで開催。15年で創作も手がけようと、6代桂文枝(当時は三枝)の指導を受けた。いまや、創作は10本を数え、古典と創作の二刀流でもある。20年の節目だった5年前に襲名を終え、25年の今年、初めて、吉本所属タレントの本拠地NGKで独演会を開く。

今年の独演会では前座は呼ばず、1人で古典、創作2席ずつの計4席を演じる。こっけい話の「湯屋番」、人情ばなし「幸助餅」に加え、色恋ネタを入れた「貢ぐ女」、実体験を描いた「留学生マットくん」だ。

「独演会で4席やるのは初めて。自信の持てるネタを選びました。現時点での集大成を見せたい」

25年の次は30年が待つ。30年への目標には「(桂)文珍師匠のように、記念だからとかではなく、毎年恒例でNGKで落語会を開けるようになっていたい」と語った。そして、40年、50年へ向けては、上方林家の看板を守り、大きく育てる覚悟を決めている。

今回の独演会には、漫才コンビ「矢野・兵動」のゲスト出演が決定。師匠の4代目染丸からは映像でメッセージが届くという。

その染丸については、今年6月ごろ、尿管が詰まり一時入院していたが、現在はすでに退院。今夏も、毎年楽しみにしている高校野球をテレビ観戦し、反骨精神の人らしく「師匠は、高岡商業を応援していました」。その理由を聞くと「若い時、後援会の会長をしてくれていた人の母校が高岡商やったらしいです。母校まで…よう覚えてはりますわ」と、菊丸は感心しながら話していた。

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