安倍私邸侵入のガソリン女 京アニ放火殺人に酷似

事件当時、在宅していた安倍首相

 大惨事寸前だった!? 東京・渋谷区富ヶ谷にある安倍晋三首相の私邸マンションの敷地内に自称三重県松阪市の会社員、嶋田えり容疑者(26)が4日午後11時ごろに侵入。防犯センサーが反応し、庭にいたところを駆けつけた警察官に住居侵入の疑いで同日、現行犯逮捕された。当時、安倍首相は在宅中だったが、けがはなかった。女はガソリンに使う携行缶を持っていたといい、それが燃えていたらあの事件のようになっていたかもしれない。

 女は「長年両親との関係に悩んでいた。逮捕されれば人生がリセットできると思った」と供述しているという。もっとも侵入時にはガソリンの携行缶とナタ、催涙スプレーを持っており、マンションの外壁を乗り越えて、侵入していたのだからヤル気満々にみえる。

 安倍首相が恨みを買っていたとしても不思議ではない。直近では新型コロナウイルスの感染拡大による経済的損失への対策として現金の一律給付を求める世論が沸騰しているというのに、布マスク2枚の郵送を決定し批判された。政府のコロナ対策に不を持つ人は多く、怒りの矛先はトップに向きがちだ。
 また、私邸で共に暮らしているはずの昭恵夫人も自粛ムードの中、立場を顧みずモデルの藤井リナやNEWSの手越祐也らとレストラン内とはいえ、花見宴会に興じていた疑惑にまみれている。

 政治的な目的を持つテロリストだったのか? 公安関係者は「嶋田えりという名前に聞き覚えはありません」と首をかしげる。その上で、「政治的な主張をしているわけではないようです。テロなら犯行声明など訴えたい主張があってしかるべきでしょう」と話した。主張のないテロ行為などあり得ないというわけだ。

 政治的理由でないのなら何なのか。「京アニで携行缶を使って火をつけた青葉真司容疑者を思い起こさせます。メンタル面の理由が考えられます」(前出の公安関係者)。実際、警視庁は刑事責任能力の有無についても慎重に調べるという。

 昨年7月に起きた京都アニメーション放火殺人事件では容疑者が建物内でガソリンをまいてライターで着火したことで全焼した。爆燃現象が発生し、36人が亡くなる大惨事となった。犯人の男は過去に別の事件を起こした際に「社会で暮らしていくことに嫌気が差した」と供述していたといい、メンタル面に不安があったとされる。

 もし警察官が駆けつけるのが遅くて、嶋田容疑者が火をつけるのが先だったらどうなっていたか分からない。「人生をリセット」したいと考える人物だけに自暴自棄になりやすく危険度は増す。

 事件の余波が心配だ。首相私邸や閣僚の住所はネットで簡単に調べることができてしまう。「社会的影響は大きいでしょう」(同)。模倣犯に注意するべきだろう。

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