イスラエル軍、ヒズボラ軍資金の流れと隠し場所を公開…「イランが空輸」「病院地下壕に現金や金」

 【エルサレム=田尾茂樹】イスラエル軍報道官は21日、レバノン南部で戦闘を続けるイスラム教シーア派組織ヒズボラの軍資金の流れと、資金が隠されているとするレバノンの首都ベイルートの病院地下 ごう の見取り図について機密を解除し、公開した。ヒズボラの資金源を断ち、弱体化を図る方針だ。

 報道官は記者会見で、ヒズボラの後ろ盾であるイランが、石油売却で得た収入を現金や金で在レバノン大使館へ空輸し、ヒズボラに直接届けていると主張した。

 ベイルートの病院の地下壕に現金や金が隠されているとして、寝室などを備えた地下施設の見取り図を公表。報道官は「大量の現金や金が今、その中にある」としてレバノン政府や国際機関に対処を求めた。病院を上空から監視している映像も公開したが、「病院は攻撃しない」と述べた。

22日、レバノンの首都ベイルート南郊で、イスラエルの空爆により立ち上る煙=AP

 イスラエル軍は20~21日、ヒズボラの金融部門とされる「カルド・ハサン協会」のレバノン各地にある拠点を空爆した。報道官は居住用ビルの地下に隠された金庫室を標的にしたと説明した。シリアの首都ダマスカスを21日に空爆し、ヒズボラ金融部門の責任者を殺害したことも発表した。

 一方、イスラエル軍は21日、ベイルート南郊の別の病院付近を空爆。保健省によると、子どもを含む4人が死亡、24人が負傷した。

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