「庶民派」演出のトランプ氏、「刷新感」のハリス氏を僅差でリード…激戦7州の最新世論調査

 【ワシントン=淵上隆悠】来月5日の米大統領選の投開票まで22日で残り2週間となる。民主党のハリス副大統領(60)と共和党のトランプ前大統領(78)は全体の勝敗を左右する激戦州を精力的に回り、ラストスパートをかけている。

 トランプ氏は20日、激戦州のペンシルベニア州フィラデルフィア近郊のマクドナルド店舗を訪れ、エプロン姿でポテトを揚げる様子を記者団に公開した。「庶民派」を演出し、無党派層にアピールする狙いがありそうだ。

 米政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」の最新の世論調査平均によると、トランプ氏の全米支持率は48・3%で、ハリス氏の49・2%を下回った。しかし、大統領選は50州と首都ワシントンに割り振られた選挙人の過半数を得た候補が勝利する仕組みで、全体の得票数では勝敗を決しない。トランプ氏は激戦7州全てでハリス氏の支持率を僅差で上回り、「勝利する可能性がわずかに高い」(米政治専門紙ザ・ヒル)とみられている。

20日、米ジョージア州で、スティービー・ワンダーさん(右)の演奏に聴き入るハリス氏=AP

 ハリス氏は刷新感を追い風に支持を伸ばしてきたが、頭打ちの状態だ。有権者の関心が高い経済や不法移民対策でも、世論調査ではトランプ氏に対する期待の方が大きい。ハリス氏の政策はバイデン大統領の路線踏襲のイメージも強い。

 ハリス氏は巻き返しに躍起だ。20日には激戦州のジョージア州アトランタ近郊の黒人教会を訪問し、トランプ氏を念頭に「私たちの強さとは、誰を打ち負かすかではなく、誰を引き上げるかだ」と訴えた。この日はハリス氏の60歳の誕生日で、歌手のスティービー・ワンダーさんがバースデーソングを演奏した。

 米ABCニュースによると、ハリス氏の演説を聞いた支持者はバスで期日前投票所に向かった。15日に郵便・期日前投票が始まったジョージア州では130万人以上が投票を終え、記録的なペースになっている。

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