NATOへの即時・無条件の加盟招待を訴えるゼレンスキー氏、5項目の「勝利計画」公表…米独は慎重姿勢崩さず

 【ブリュッセル=酒井圭吾】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日、ブリュッセルで行われた北大西洋条約機構(NATO)国防相会合と欧州連合(EU)首脳会議にそれぞれ出席し、NATOへの「即時かつ無条件の加盟招待」を求める「勝利計画」への支持を求めた。

17日、ブリュッセルで行われたEU首脳会議に合わせ、報道陣に話すウクライナのゼレンスキー大統領=AP

 ウクライナは16日にロシアの侵略を終結させる5項目の「勝利計画」を公表した。ゼレンスキー氏は国防相会合後の記者会見で、「『勝利計画』の第1事項は、NATOへの招待だ」と訴えた。これに対し、NATOのマルク・ルッテ事務総長は会見で「ウクライナは33番目の加盟国になるだろう」と述べつつも、加盟時期の明言は避けた。バルト3国や東欧が加盟手続きの即時開始を訴える一方、米独などの大国は慎重な姿勢を崩さなかったという。

 これに先だって、ゼレンスキー氏が参加したEU首脳会議も、成果文書に「勝利計画」への支持の明記を見送った。一方で、冬季を迎えるウクライナへのエネルギー安全保障をEUが支えることを確認した。首脳会議では、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)陣地に戦車で突入したイスラエルを非難し、EUがレバノン国軍強化の調整に乗り出すことを確認した。

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