ガザの人道状況「30日以内に改善を」、米がイスラエルに書簡送付…軍事支援停止の可能性も示唆

 【ワシントン=淵上隆悠】米政府は15日、イスラエル政府に対し、戦闘が続くパレスチナ自治区ガザの人道状況を30日以内に改善するよう求める書簡を送付したと明らかにした。書簡はブリンケン国務長官とオースティン国防長官の連名で、13日付。イスラエルが具体的な対応を見せなかった場合、軍事支援を停止する可能性を示唆した。

ホワイトハウス

 書簡はイスラエルのヨアブ・ガラント国防相らに宛てたもので、ガザの人道状況の悪化に「深い懸念」を示し、改善に向けて「緊急で持続的な行動」を要求した。

 具体的には、物資を積んだトラックをガザに1日最低350台入れることなどを求めた。実行されなければ、バイデン米大統領が2月に出した「国家安全保障覚書」などに基づき対処すると警告した。覚書では、人道支援を意図的に制限したり妨害したりした場合、当該国への軍事支援を一時停止する可能性があるとしている。

 米国務省のマシュー・ミラー報道官は15日の記者会見で、ガザへの人道支援がピーク時から半減していると指摘した上で、「イスラエルが我々の提案を受け入れ、結果として人道支援が劇的に増えることを希望する」と述べた。

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