台湾の前総統が訪欧、EU本部も訪問へ…プラハでの講演で「台湾は脅威の最前線にある」

 台湾の 蔡英文ツァイインウェン 前総統は14日、訪問先のチェコの首都プラハで講演した。中国軍が台湾周辺で行った軍事演習に触れ、「台湾は脅威の最前線にある。その最新の動きがこの軍事演習だ」と非難し、団結して民主主義の価値観を守ることを呼びかけた。

 講演で蔡氏は「中国共産党政権は様々な手段で台湾の併合を試みている」とも指摘した。台湾がこれまでも圧力に抵抗してきたことを強調し「民主主義は台湾の唯一の選択だ」と述べた。

 5月の総統退任後、蔡氏の海外訪問は初めて。自らの在任中に強化した欧州との関係を一層強める狙いがある。台湾メディアによると、今回の訪欧ではブリュッセルの欧州連合(EU)本部も訪れる。

 蔡氏には海外から多くの招待が届いているといい、前総統による今後の対外活動が注目されている。 頼清徳ライチンドォー 総統は、出発前の蔡氏と面会して「国際舞台で台湾のために発言する最良の代弁者だ」と期待を込めていた。(香港支局 鈴木隆弘)

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