トランプ氏「不法移民は第三世界の刑務所から来ている」…集会で民主党の対策を批判

 【ワシントン=淵上隆悠】米共和党大統領候補のトランプ前大統領は11日、コロラド州デンバー近郊で開いた集会で、不法移民が米国を占拠していると訴え、民主党の移民対策が不十分だと批判した。11月5日の投開票日を「解放の日」にすると宣言し、自身への支持を呼びかけた。

 トランプ氏は、ベネズエラ人のギャング集団が関与した殺人事件が集会会場のある町で今夏に起きたことに触れ、「不法移民は第三世界(途上国)の刑務所などから来ている」と主張。危機感をあおった上で、自身が大統領に返り咲けば、1人残らず強制送還し、米国人を殺害した場合は「死刑にする」と言い放った。

 同州では2008年の大統領選以降、民主党が4連勝していて、今回も民主党候補のハリス副大統領が優勢だ。州都デンバーは移民に寛容な措置を取る「聖域都市」として知られ、22年12月以降だけで4万人超が流入した。

 移民に寛容とされたバイデン政権は今年6月、事実上の「国境閉鎖」を可能とする大統領令を出して方針を転換。メキシコ国境付近で拘束された不法移民は23年12月に30万人を超えたが、今年8月は約10万人まで減少した。トランプ氏は、こうした点から有権者の目をそらすため極端な主張をしているとみられる。

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