イスラエル軍、レバノン南西部で新たに「限定的な地上作戦」開始…ヒズボラは飛翔体190発を発射

 【エルサレム=西田道成】レバノンに地上侵攻するイスラエル軍は8日、1個師団を7日に追加投入し、イスラム教シーア派組織ヒズボラが拠点とするレバノンの南西部で新たに地上作戦を始めたと明らかにした。軍は7日、南西部の住民に地中海沿岸から退避するよう勧告し、攻撃対象地域の拡大を予告していた。

 地元紙タイムズ・オブ・イスラエルは8日、これまでに4個師団が投入され、レバノンに侵入したイスラエル兵は1万5000人を超えたようだと伝えた。

 軍は今回を含め「限定的な地上作戦」と繰り返し主張しながら戦闘規模を拡大してきた。大規模な侵攻を懸念する国際社会の非難をかわしつつ、作戦を進める狙いがあるとみられる。

 軍によると、ヒズボラは7日、約190発の 飛翔ひしょう 体を発射した。ヒズボラは、レバノンに侵入したイスラエル軍の部隊や、中部テルアビブ郊外にある軍のサイバー精鋭集団「8200部隊」の拠点基地などを標的にしたと主張した。

 軍は7日、国境付近で兵士2人が死亡したと明らかにした。ロイター通信によると、レバノン側では数十人が死亡した。

 一方、7日にはイエメンからイスラエルに向けて地対地ミサイルが発射され、イスラエル軍は迎撃したと発表した。イエメンの反政府武装勢力フーシは声明で、テルアビブ近郊を標的にした攻撃だったと認めた。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は7日夜、パレスチナ自治区ガザで戦闘が始まってから1年の節目に合わせて演説し、「我々は戦いを続け、団結して勝利する」と強調した。

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