ガザ戦闘1年、ハマスの奇襲現場で追悼行事…息子を殺された父親「時は心を癒やさない」

7日、イスラエル南部レインで、ハマスの奇襲で383人が殺された現場での追悼行事に参加した人たち

 【レイン(イスラエル南部)=笹子美奈子、エルサレム=西田道成】パレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍とイスラム主義組織ハマスの戦闘開始から、7日で1年となった。イスラエル各地で追悼行事が行われたほか、人質の家族らが解放を求めて行進した。戦闘は続き、拡大する紛争に収束の兆しは見えない。

7日、エルサレムの首相公邸前で、人質の解放を求めて行進する家族ら=福島利之撮影

 昨年10月7日に野外音楽祭の会場がハマスの奇襲を受け、383人が殺されたイスラエル南部レインの野原では7日朝、追悼行事が行われ、参列者が1分間の黙とうをささげた。

 警察官の息子エリオルさん(当時34歳)を殺されたリタ・イファクさん(57)は、4か月前に父親の腕に抱かれることなく生まれた孫に会うたび、無念の思いがこみ上げると明かした。「時は心を癒やさない。ガザへの報復を求める」と訴えた。

 イスラエル軍は7日、ガザ全域でハマスのロケット弾発射拠点などへの攻撃を続けた。ハマスは7日に発表した声明で、「栄光ある10月7日は我々の闘争の歴史的な節目だ。占領に抵抗する我々の正当な権利を守るために妥協はしない」と徹底抗戦を主張した。

 イスラエルの隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラも7日、抗戦を続ける声明を発表した。イスラエル北部のハイファが6日にヒズボラのロケット弾攻撃を受け、ロイター通信によると、10人が負傷した。イスラエル軍は7日、レバノンの地上作戦に新たに1個師団を加えたと明らかにした。

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