「スパイ容疑」で日本人男性拘束から1か月…経済制裁に反感募らせたベラルーシ、「交渉カード」とする狙いか
ロシアの同盟国ベラルーシで日本人男性が「スパイ容疑」で拘束されたと判明してから、4日で1か月となった。日本政府は解放を水面下で働きかけているとみられるものの、拘束が長期化する恐れがある。
日本政府関係者によると、男性はベラルーシ南東部ゴメリ州在住の中西雅敏さん。ベラルーシの国営テレビが9月5日に報じた特別番組では、中西さんが「私がしたことは犯罪だ」と認める様子が報じられた。
しかし、「上司」に報告した証拠として紹介された無料通信アプリ「LINE」のやりとりは、「(企業の)ベラルーシ進出はかなり難しい」という日本語が、「ウクライナは米国の操り人形だ」と翻訳されるなど
ベラルーシは「欧州最後の独裁者」と呼ばれるアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が独裁体制を敷いており、市民が
米欧とロシアが今夏実施した囚人交換では、ベラルーシで死刑判決を受けたドイツ人も含まれた。中西さんは将来的な交渉カードとしてスパイに仕立て上げられた可能性がある。
ロシアによる2022年2月のウクライナ侵略開始後、日本はベラルーシに対して経済制裁を科している。旧ソ連地域研究が専門の廣瀬陽子慶応大教授は「日本に対する反感を募らせ、攻撃材料を探していた可能性がある」と分析している。
10/04 19:15
読売新聞