ロシア当局、ナワリヌイ氏の死亡調査報告書改ざんか…毒殺の症状を隠蔽する意図があった可能性

 ロシアの独立系メディア「インサイダー」は29日、ロシアの反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が露北極圏の刑務所で今年2月に死亡した際、露当局が調査報告書を改ざんしていたと報じた。専門家は、毒殺が疑われる症状を 隠蔽いんぺい し、自然死に見せかける意図があった可能性を指摘している。

 刑務所は2月16日、ナワリヌイ氏が散歩後に意識を失い、死亡したと発表した。死因の調査にあたった露連邦捜査委員会は今年7月末付の文書で、ナワリヌイ氏は不整脈による自然死で、刑事捜査は必要ないとの決定をナワリヌイ氏の妻ユリア氏に通知した。

 インサイダーによると、この文書には当初、ナワリヌイ氏が死亡直前に激しい腹痛を訴え、 嘔吐おうと し、けいれんを起こしたとの記載があったが、最終稿から削除されたという。別の文書では「嘔吐物のサンプル」が検査のために回収されていたことも確認された。ナワリヌイ氏が嘔吐したことや検査の事実は公表されていない。

 医療専門家はインサイダーに対し、腹痛後、すぐに嘔吐やけいれんの症状が出ていることなどから、「毒物の投与以外では説明がつかない」と述べた。

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