トランプ氏がゼレンスキー大統領を「最高のセールスマン」と揶揄…ウクライナ支援「無駄遣い」主張

　【インディアナ（米ペンシルベニア州）＝田中宏幸、ニューヨーク＝池田慶太】米共和党のトランプ前大統領は２３日の演説で、ロシアの侵略を受けるウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領について「最高のセールスマンだ。米国に来るたびに６００億ドルを持ち帰る」と述べた。米国のウクライナ支援が「無駄遣い」にあたるとの認識を改めて示したものだ。ペンシルベニア州インディアナでの集会で語った。

２３日、ペンシルベニア州インディアナで発言するトランプ前大統領（ＡＰ）

　トランプ氏はウクライナへの支援を削減し、国内の移民対策などに予算を回すべきだと主張している。４月に約６１０億ドルのウクライナ支援予算が成立した際には、共和党議員らに圧力をかけて与野党合意を遅らせた。

　トランプ氏は集会で、ゼレンスキー氏が支援をさらに引き出すため、米大統領選で民主党のハリス副大統領の勝利を強く望んでいると一方的に主張した。

　一方、ゼレンスキー氏は米誌ニューヨーカー最新号のインタビューで、当選すれば「２４時間以内」に侵略を終わらせるというトランプ氏の主張について、「トランプ氏は戦争を止める方法を知っていると思っているかもしれないが、本当は知らないと思う」と批判した。国連総会出席のため訪米中のゼレンスキー氏はバイデン大統領、ハリス、トランプ両氏と会談し、和平実現への「勝利計画」を説明する意向を示している。