中国、融資と引き換えに台湾人から軍事機密を収集か…台湾検察当局が台湾軍人含む23人起訴

 【台北=園田将嗣】中国共産党のスパイ組織を作って台湾の軍事機密を収集したとして、台湾の検察当局は18日、台湾軍の現役軍人を含む23人を起訴したと発表した。中国が借金を抱える軍人に目をつけ、融資と引き換えに軍事機密の入手を企てる手口の一端が明らかとなり、台湾当局は警戒を強めている。

 台湾当局の発表によると、債務の問題を抱えた台湾の兄弟2人が2021年、中国で中国共産党の 諜報ちょうほう 部員と接触した。2人は中国でより良い処遇を受けるため中国側から指示され、22年1月から協力者となる台湾の現役軍人1人を確保するたびに報酬を受け取った。報酬は1人につき2000~3万台湾ドル(約8800~13万3000円)に設定されていた。

 2人はその後、台湾で中国共産党のスパイ組織を結成した。インターネットに軍人向け融資の広告を出すなどして、融資が必要な現役軍人から軍事機密を収集した。軍事機密は携帯電話の通信ソフトを使って中国側に送られたという。

 台湾法務部(法務省)は18日、中国が巨額の資金を投入し、融資を餌として軍に精通した人物をスパイ行為や浸透工作に従事させていると指摘した。

ジャンルで探す