トランプ氏暗殺未遂事件、銃の不法所持など疑いで容疑者訴追…12時間近く現場付近に潜伏か

 【ニューヨーク=山本貴徳】米共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)の暗殺未遂事件を巡り、司法省は16日、拘束している58歳の男を銃の不法所持などの疑いで訴追した。捜査当局によると、男はフロリダ州ウェストパームビーチのゴルフ場付近でトランプ氏を12時間近く待ち伏せしていた可能性があるという。

フロリダ州マーティン郡の保安官事務所が公開した、ライアン・ラウス容疑者(15日)=AP

 発表によると、男はハワイ州在住のライアン・ラウス容疑者で、過去に重罪で有罪判決を受けたにもかかわらず銃を所持していた疑い。製造番号が消された銃を持っていた疑いも持たれている。

 裁判所に提出された文書によると、ラウス容疑者は15日午後1時半頃、ウェストパームビーチのゴルフ場の茂みに隠れているところをシークレットサービス(大統領警護隊)の警護官に見つかり、車で逃走した。車はナンバーが偽装されていたという。

 ラウス容疑者の携帯電話を調べたところ、15日午前2時頃から警護官に見つかるまでの12時間近く、現場付近にいた疑いがあることがわかった。

記者会見に臨むシークレットサービス(16日)=AP

 シークレットサービスによると、ラウス容疑者は発砲しておらず、ゴルフをしていたトランプ氏の姿も視界に入っていなかったという。容疑者が銃を構えていたとみられる地点はトランプ氏から270~450メートルほど離れていた。

 ラウス容疑者は16日、ウェストパームビーチの連邦裁判所に出廷した。今後、罪状認否などの手続きが行われる見通しで、連邦捜査局(FBI)はラウス容疑者のSNSなどを調べて動機の解明を進める考えだ。

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