北朝鮮のゴミ風船、相次ぎ出火…仁川空港で離着陸制限も

 【ソウル=依田和彩】北朝鮮が5月以降に飛ばしているゴミなどをぶら下げた風船が韓国で落下し、火災が起きる被害が相次いでいる。風船とゴミを空中で切り離すために取り付けられた発熱タイマーが原因とみられる。

 聯合ニュースによると、15日夜、ソウル市内のビル屋上に北朝鮮から飛来した風船が落下し、出火した。5日にはソウル近郊・ 金浦キムポ の自動車部品工場、8日には韓国北西部・ 坡州パジュ の倉庫の屋根に風船が落下し、火災が起きた。

 韓国軍合同参謀本部は、発熱タイマーが作動せずに空中で風船とゴミが分離せずに落下し、タイマーの熱でゴミが発火する可能性があるとみている。韓国軍は市民に対し、風船を見つけても近づかないよう呼びかけている。

 韓国側では、風船が原因となる事故を防ぐため、 仁川インチョン 国際空港で航空機の離着陸を一時制限する事態も発生した。

 北朝鮮は、韓国の脱北者らが 金正恩キムジョンウン 政権を批判するビラを風船で北朝鮮に向けて飛ばしていることへの対抗措置として、風船を飛ばしていると主張している。5月以降の飛来数は約20回に上る。

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