国連のグテレス事務総長が「平和の鐘」鳴らして団結訴え…ウクライナ侵略やパレスチナ情勢に危機感

 【ニューヨーク=金子靖志】国連が定める21日の「国際平和デー」を前に、米ニューヨークの国連本部にある日本庭園で13日、日本から贈られた「平和の鐘」を鳴らし、戦争や紛争のない世界を祈る式典が開かれた。

 国連のアントニオ・グテレス事務総長は式典で、ロシアのウクライナ侵略やパレスチナ自治区ガザを巡る戦闘に触れた上で「死体が山積みになり、建物はがれきと化し、平和な世界の基盤は崩壊しつつある」と強い危機感を示した。「平和と正義のため、私たちは団結しなければならない」と訴え、鐘を突いた。

 平和の鐘は、愛媛県宇和島市長を務めた中川千代治さんが1954年に贈った。中川さんは太平洋戦争中、ビルマ(現ミャンマー)戦線に出征し、多くの戦友を亡くした。鐘は世界各国の硬貨やローマ教皇から贈られた金貨などを溶かしてつくられた。

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