ノーベル化学賞、米英の研究者3人に…AI利用し「たんぱく質」の立体構造の予測技術を開発

 スウェーデン王立科学アカデミーは9日、2024年のノーベル化学賞を、米ワシントン大のデビッド・ベイカー教授、英グーグル・ディープマインド社のデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)、同社のジョン・ジャンパー氏の3人に授与すると発表した。人工知能(AI)を利用して、たんぱく質の立体構造を予測する技術を開発した。AIが関連した研究が受賞対象になるのは、前日の物理学賞に続き、2日連続となった。

 たんぱく質は、DNAの情報を基に20種類のアミノ酸が鎖のように連なり、折り畳まれてそれぞれのたんぱく質特有の立体構造を形作る。たんぱく質の構造を把握することで創薬などに生かせるが、X線やコンピューターなどを使った従来の手法では、アミノ酸の配列からどのような立体構造かを予測することは難しかった。

 ハサビス氏とジャンパー氏は、アミノ酸配列などのデータベースを基に、たんぱく質の構造を高精度に予測するAIモデル「アルファフォールド」を開発。これまでは構造を特定するのに何年もかかっていたが、わずか数分で完了できるようになった。

 ベイカー氏は03年、新しいたんぱく質を設計することに成功し、医薬品などの開発に活用されている。

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