ロシアで強制動員、集落封鎖し民家へ押し入り連れ去り…国連人権理事会が報告書
【ジュネーブ=森井雄一】国連人権理事会の特別報告者は18日、ロシアのウクライナ侵略開始以降、露国内の人権状況が著しく悪化しているとする報告書を発表した。報告書によると、反戦デモ参加を理由に2万人以上を6月までに拘束し、反戦活動に対し600件以上の刑事訴訟を起こした。市民の口封じを図り、反戦活動家らを処罰する法律が施行され、報告書は「意図的な弾圧だ」と非難した。
報告書では、侵略のための動員も遠隔地や貧しい地域で積極的に行われ、人口1万人未満の少数民族などに偏っていると言及した。「当局は町や村からの出口を封鎖し、夜間に家に押し入って労働年齢の男性を全て連れ去った」と指摘した。
特別報告者は、人権状況に悪影響を与え、後退を招いている憲法の見直しや、恣意(しい)的に拘束された活動家の解放などを求めている。
特別報告者は昨年10月の理事会で任命が決まり、今年5月から活動を始めた。露当局の協力は得られず、ロシア国内外の60超の人権団体や個人から面談やオンラインなどで状況を聞き取った。
09/19 17:38
読売新聞