韓国・ユン大統領「国政がまひしている」 非常戒厳の宣言理由を説明 弾劾訴追案の採決は早ければ12月6日に 与党から造反出れば可決の可能性も

韓国の尹錫悦大統領がきのう、政治活動などを制限する「非常戒厳」を宣言しました。わずか6時間後に解除されましたが、野党側が弾劾訴追案を提出するなど大きな混乱が広がっています。今後はどういった流れになるのでしょうか。ソウル支局の早瀬川記者に聞きます。

弾劾訴追案は、国会議員の3分の2にあたる200人以上が賛成すれば可決されます。今年4月の総選挙で野党が大勝したものの、現在、無所属を含めて192議席で、野党側だけでは可決することはできません。ただ、与党から8人以上の造反者が出れば可決されます。

早ければ採決は6日に行われますが、与党が尹大統領の弾劾を避けようとするなら、この間に結束を保てるかがカギと言えます。

可決されれば、尹氏の大統領権限は停止され、憲法裁判所が罷免するかどうかを180日以内に判断することになります。

また、尹大統領は「非常戒厳」を宣言した理由について、野党が来年度の予算を大幅に削減しようとしたり、検事や閣僚の弾劾を続けたりして「国政がまひしている」と説明しました。

一方、韓国メディアは、尹大統領の支持率が10%台後半まで落ち込んだほか、大統領夫人の疑惑をめぐって政治的な追及が続いていたため、「これ以上失うものはない」という意識が反映されたのではないかとの見方を報じています。

大統領府の主要な高官が状況を把握できていなかったという報道も出ていて、弾劾を避けたとしても、政権運営は非常に困難になると予想されます。

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