イスラエルとレバノンの両政府が停戦に合意 ネタニヤフ首相は「イランの脅威に焦点を当てるため」

イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘をめぐり、イスラエルとレバノンの両政府が停戦に合意しました。

停戦交渉を仲介したアメリカの発表によりますと、イスラエル政府とレバノン政府の停戦合意は日本時間午前11時に発効しました。

合意では60日間の停戦期間中、イスラエル軍がレバノンから撤退する一方、ヒズボラは国境から30キロ離れたリタニ川より北に重火器を移し、代わりに正規のレバノン軍が展開します。

ネタニヤフ首相は停戦を支持する理由について「イランの脅威に焦点を当てるため」としたほか、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラム組織ハマスを「孤立無援にするため」だと説明しました。その上で…

イスラエル ネタニヤフ首相
「もし、ヒズボラが合意に違反して再軍備を試みるなら、我々は攻撃する。国境付近でテロ活動を再開しようとしても攻撃する。ロケットを発射したりトンネルを掘ったり、ミサイルを積んだトラックを持ち込んだりしても攻撃する」

一方、レバノンのミカティ暫定首相は「レバノンの平穏と安定に向けた重要な一歩」だとしています。

合意を発表したアメリカのバイデン大統領は…

アメリカ バイデン大統領
「レバノンとイスラエルのリーダーの決断に拍手を送りたい。平和は可能だと思い出させてくれる」

去年10月から続く戦闘では、レバノン側の死者は3800人を超えていて、今後、合意内容が守られ、地域の緊張緩和に繋がるかが焦点となります。

アメリカ政府は、イスラエルとレバノン、国連による平和維持の枠組みに新たにアメリカ・フランスが加わり、合意の履行状況を監視していくとしています。

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