「報復社会」検索が急増 中国で相次ぐ“無差別殺傷事件” 江蘇省の専門学校で21歳男が刃物で切りつけ 8人死亡17人けが

中国・江蘇省の専門学校でおととい、男に刃物で切り付けられ8人が死亡しました。ここ最近、中国では無差別殺傷事件が相次いでいますが、背景には何があるのでしょうか?

中国のSNSにアップされた映像。男が複数の人に取り押さえられる様子が捉えられています。

「こいつを捕まえろ、捕まえろ」

おととい夜、江蘇省・無錫市の専門学校で21歳の男が刃物で切りつけ、8人が死亡、17人がけがをしました。

記者
「事件を受けて、専門学校生を保護者が迎えに来ているように見受けられます」

当局は、男(21)がこの専門学校で卒業証書をもらえなかったことや、実習中の職場に不満を持っていたとしています。

香港メディアが報じた男の遺書には。

男(21)が書いたとみられる遺書
「毎日16時間働いているのに給与を滞納されている」「私の死で労働法の改善を進める」

中国では、一週間前の11日に広東省・珠海市で車が突っ込み、35人が死亡する事件が起きるなど、人が無差別に襲われる事件が相次いでいます。背景にはいったい何があるのでしょうか?

記者
「中国のインターネットではここ最近、報復社会というワードの検索頻度が急上昇しています」

「社会への報復」。つまり、社会に対する不満がこうした事件を引き起こしているのではないかというのです。

街の人も。

無錫市民
「ショックだった。社会で恨みがましい感情を持っている人が多すぎると思う」

北京市民
「全体的に経済が不況なので、ストレスやトラブルで起こる事件が多いのだと思う」

中国政府は相次ぐ事件により、社会が不安定化することを恐れているようです。そのため…

記者
「中国のSNSで今回の事件について検索してみると、現場の動画などは一切出てきません。当局が規制しているものとみられます」

当局は情報統制を強めるとともに、夫婦や家族間のトラブルを未然に防ぐなど市民生活への監視を強める方針を打ち出していますが、相次ぐ事件の原因が経済格差や社会への不満だとすると、根本的な解決には繋がらないのかもしれません。

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