オーストラリア政府、16歳未満のSNS利用を禁止する法案を議会に提出へ

オーストラリア政府が16歳未満のSNSの利用を禁止する法案を今月末にも議会に提出することになりました。違反した場合は事業者に罰金が科せられるということです。

オーストラリア アルバニージー首相
「SNSは若者を傷つけていて、私はそれを終わらせる」

オーストラリアの議会に今月末にも提出される法案。フェイスブックやインスタグラム、ティックトックなど、SNSの事業者に対し、16歳未満の子どもの利用禁止を義務付ける法案です。

違反した場合、事業者に高額の罰金が科せられますが、子どもや保護者への罰則はありません。

背景には、SNSを使った「いじめ」や、嘘や有害な情報がSNSに出回っていることなどの問題があります。

娘を失った男性
「体型に関するSNSの情報により、娘は負のスパイラルに陥った」

娘(15)が学校でのいじめが原因で拒食症になったと言う男性。娘はSNSでの情報を見て、死に至ったと訴えています。

子どものSNS利用の禁止を求める団体は12万人以上の署名を集め、アルバニージー首相に手渡すなどしていました。

10代の子どもたちからは規制に反対の声も。

「SNSは、ぼくたち子どもが世界で起こっていることを知るための手段です」
「自閉症なので他の人とつながるのがとても難しいのですが、ネットだとずっと簡単になり、ストレスも減ります」

一方で、法案の実効性を疑問視する声や、SNSへのアクセスを防止するシステムの開発といった課題もあるということです。

SNSの利用に年齢制限を設ける動きはアメリカの一部の州やフランスなどでも始まっていて、オーストラリアで法案が可決されれば、世界に先駆けた国レベルでの年齢制限となります。

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