アメリカ大統領選挙 激戦「ネバダ州」2008年以来続いた民主党勝利に黄色信号 背景は「経済問題」失業率全米ワースト州 有権者4割が「経済」を争点に

アメリカ大統領選挙のシリーズ「激戦州の現場から」。西部ネバダ州では主要な争点である「経済」を巡り、2008年以来続いていた民主党の勝利が危うくなっています。

カジノの町ラスベガスを擁するネバダ州。サービス業に従事する人が雇用全体の3割以上を占めると言われています。

町の中心部にそびえたつトランプタワー。ネバダ州の世論調査では、トランプ前大統領がハリス副大統領をわずかにリードしていて、ネバダ州で2008年以降続く民主党の勝利に黄色信号が灯っています。

背景にあるのが経済問題です。

記者
「ネバダ州はこの時期も日差しが非常に強いのですが、町中にあふれるこうした選挙看板に身を寄せているホームレスの人々もいます」

ホームレスの男性
「(Q.生活はどうですか)最悪だよ、誰も助けてくれない。(選挙看板は)このためじゃないのは分かるけど、仕方がないよ」

失業率が全米50州のうち、ワーストのネバダ州。有権者の4割が経済を最大の争点に挙げています。

たとえば、アメリカでサービス業に従事する人々にとって重要な収入源となっているチップへの課税。トランプ氏は6月、これをを廃止する政策を発表。

共和党 トランプ前大統領
「私が大統領になったら、チップへの課税を廃止する」

これに対し、ハリス氏は。

民主党 ハリス副大統領
「最低賃金を引き上げ、チップへの課税を廃止します!」

ハリス氏は課税の廃止に加えて、最低賃金の引き上げも訴え、有権者にアピールしました。

街では価格の高騰に有権者が頭を悩ませています。こちらのバラハスさんは、ラスベガス郊外で5つの飲食店を営んでいます。バラハスさんはトランプ氏を支持していますが、そのワケは経済を立て直すにはビジネス経験のあるトランプ氏がふさわしいからだといいます。

トランプ氏を支持 バラハスさん
「トランプ政権時代の方が全てにおいて良かった。もう変わらなければなりません。この状況が続けば、私は3店舗を閉めなければならない」

一方、民主党を支持する州内最大の労働組合は組織力を生かし、戸別訪問による票の掘り起こしに力を入れます。

ハリス氏の経済手腕を疑問視する声が出ていることに対しては。

ハリス氏を支持する労働組合員
「彼女はまだ大統領ではないので、確実なことは分かりません。彼女が大統領になった時に分かるでしょう」

投票日まで1週間を切る中、民主党は牙城を守れるでしょうか。

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