勝敗のカギ握る?第三の候補に注目 アメリカ大統領選まで半年【現場から、】

シリーズ「現場から、」です。今年11月のアメリカ大統領選挙まであと半年。バイデン大統領対トランプ前大統領の2度目の戦いとなりますが、勝敗のカギを握るのは第三の候補かもしれません。

トランプ前大統領
「バイデンは史上最悪の、最も無能で腐敗した大統領だ!」

バイデン大統領
「あなたの力で2024年にトランプをもう一度敗者にするぞ!」

11月5日の大統領選で勝つのはどちらか。選挙戦が早くも熱を帯びる中、その動きが注目される「第三の候補」がいます。

記者
「500人を超える人が集まって選挙集会が始まりました。集会を開いたのは、無所属で大統領選に出馬しているケネディ候補です」

ケネディ候補
「みなさんに言いたいのは、トランプ前大統領もバイデン大統領も、問題に対処できる能力がないということです」

弁護士として長年、環境問題に取り組んできたロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)。ケネディ元大統領の甥で、抜群の知名度がありますが、小児用ワクチンや新型コロナワクチンに反対の立場を取ることでも知られています。

選挙集会では、特に「国の分断」に警鐘を鳴らし、互いを攻撃しあうバイデン氏・トランプ氏、双方を批判しています。

ケネディ候補
「トランプ信奉者もバイデン信奉者も、私の政策を見ればこの国に希望を持つようになる。共に生きることを学び、再び愛し合うようになる。それこそが私たちが国家として必要なことなのです」

最新の世論調査では、バイデン氏・トランプ氏が支持率40%近くでほぼ並んでいるのに続き、ケネディ氏が13%の支持を得ています。

集会の参加者は…

前回はバイデン氏に投票
「ケネディ候補を支持します。彼の主張は良いですよ」

前回はトランプ氏に投票
「彼は政治の沼に浸かっていないし、主張もいいですね」

前回は意図的に投票せず
「バイデン氏もトランプ氏も嫌なので、別の候補を探しています」

今回初めて投票予定(20)
「2人から選ぶのは難しいです。真ん中くらいの候補がいいですね」

2大政党制のアメリカですが、過去には3人目の候補が大統領選の結果を左右したことがあります。

1992年には、実業家のロス・ペロー氏が全体の19%ほどの票を獲得。保守派の支持が割れたことで、当時のブッシュ大統領は再選を果たせませんでした。

2000年には、消費者運動の旗手と言われたラルフ・ネーダー氏がリベラル層の一部の票を奪い、民主党のゴア候補が共和党のブッシュ候補に惜敗する一因ともなりました。

ジョージ・ワシントン大学 トッド・ベルト教授
「今回は高齢の候補者2人の再選という初めての構図で、別の選択肢を望む有権者が多くいます。ケネディという名前は強みですし影響力を持ちますが、選挙結果をどう左右するかはまだ見えていません」

バイデン陣営・トランプ陣営は、ともにケネディ候補に票を奪われないよう牽制を始めています。

トランプ前大統領
「私がもし民主党員だったら、バイデンではなくケネディに投票しますね。彼こそが民主党らしい候補者です」

と、トランプ氏が民主党支持層に呼びかければ…

バイデン大統領
「ケネディ家の支持を得られることは信じられないような名誉だ」

バイデン氏は、ケネディ家の一族のほとんどから支持を得ていることをアピール。

腕立て伏せをする映像をSNSに投稿するなど、“若さ”もアピールするケネディ氏。目指すのは、あくまでも自身の勝利です。

ケネディ候補
「バイデン対トランプの構図に80%の人が否定的です。今回こそ第三極の候補が勝利する時だと思います」

果たして第三の候補は台風の目となるでしょうか。

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