スイス 安楽死希望者を窒素噴出の「自殺カプセル」で絶命 地元警察が関係者を逮捕

スイスで「死の権利」を訴える医師が開発した「自殺カプセル」で米国人女性が死亡し、地元警察は24日、関係者数人を逮捕したと発表した。

「自殺カプセル」は、棺桶と同程度の大きさ。志願者が中に入ってふたを閉じると、自動音声で「ボタンを押すと、何が起こるか分かっているか?」などと質問し、意思確認した後に窒素を噴出して酸欠死させる。警察の発表によると、23日にスイス北部シャフハウゼン州の森に自殺カプセルが持ち込まれたという通報があった。捜査当局はカプセルを押収し、遺体を解剖して調べるとしている。

スイスでは自殺幇助が容認されているが、刑法は「利己的な理由」による幇助を禁じている。地元メディアは、捜査当局は自殺教唆容疑で調べていると報道。窒素使用が、化学薬品使用の規制に抵触する疑いもあるとしている。死亡した女性は64歳だったとされる。

自殺カプセルは、安楽死運動の指導者として知られるオーストラリア人、フィリップ・ニチキ医師がオランダで開発した。今年7月、スイスの自殺幇助団体が装置を公開し、実用化への意欲を表明。医師の処方する薬物なしに数分で苦痛なく死ねると主張していた。

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