バチカン、聖母マリアの目撃談が伝わるボスニアの「メジュゴリエの聖母」を準公認

ボスニア・ヘルツェゴビナの山あいの町メジュゴリエで聖母マリアを見たとの目撃談が伝えられ、巡礼に訪れる人が絶えないことについて、カトリックの総本山であるローマ教皇庁(バチカン)は19日、〝準公認〟扱いとする見解を発表した。教義上の「聖母の出現」とは断言しないものの、巡礼を引き続き認めた。

メジュゴリエではユーゴスラビア時代の1981年、6人の若者が丘の上で幼い子供を抱いた女性と会い、聖母マリアと直感。その後も目撃し続け、さまざまなメッセージを受け取ったと主張している。このため、世界各地から年間数百万人が巡礼に訪れるという。

バチカンはこれまで、フランスの「ルルドの聖母」やポルトガルの「ファティマの聖母」などを聖母の出現と公認している。「メジュゴリエの聖母」について、2010年に調査委員会を設置。巡礼自体は許可していたが、ローマ教皇フランシスコが17年に「若者たちが見た女性は聖母マリアではない」と疑念を示すなどしたため、慎重に調査が行われていた。

バチカンの見解は、目撃者が受け取ったとされるメッセージの一部に疑問が残るとした上で、「巡礼は目撃者に会うためではなく、聖母マリアの愛に出合うために行われるべきだ」と述べている。

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