ロシアが日本水産物の輸入制限を継続 高官「安全」は認めるも「予防措置」

ロシア検疫当局トップのダンクベルト氏は18日、東京電力福島第1原発周辺で漁獲された魚について「安全だ」と述べた一方、原発処理水の海洋放出を受けてロシアが昨年から導入している日本産水産物の禁輸措置は続ける方針を示した。タス通信が伝えた。

ダンクベルト氏は原発周辺の魚について「現時点で(基準値を超える放射性物質などは)何も見つかっていない。安全だ」と指摘。一方で健康被害を防ぐための「予防措置」の観点から禁輸は続けるとした。

ロシアは昨年10月、原発処理水の海洋放出を巡り、中国に同調する形で日本産水産物の禁輸を発表。水産物の安全性に関する必要なデータがそろい、露当局による分析が完了するまでは輸入停止を続けると発表していた。

農林水産省によると、日本産水産物の輸出額ランキングでロシアは2022年、23年とも上位20位に入っておらず、ロシアによる禁輸の影響は限定的だとみられている。(小野田雄一)

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