米FRB「経済の強さ維持するため」0・5%大幅利下げ 4年半ぶり、引き締め政策を転換

【ワシントン=坂本一之】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は18日、金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)で主要政策金利を0・5%引き下げることを決定した。利下げは4年半ぶり。FRBのパウエル議長は同日の記者会見で、通常ペースの2回分となる大幅な利下げに踏み切った理由に関し「経済と労働市場の強さを維持する」ためだと説明した。

FRBは声明で、目標に掲げるインフレ2%に向けて「持続的に向かっているとの強い確信を得た」と説明。「失業率は上昇したが、低いままだ」と指摘した。

パウエル氏は会見で、インフレ抑制を通し「安定した物価と雇用の最大化」に引き続き取り組むと表明。好調な米経済を「維持することを目的」に利下げを決めたことを強調した。

高水準の金利が長期化すれば深刻な雇用情勢の悪化を招く恐れもあり、インフレ抑制に向けた金融引き締め政策からの転換に踏み切った。今回の利下げで、2001年以来の高水準となっていた金利の誘導目標を4・75~5・0%とし、経済のソフトランディング(軟着陸)を目指す。

FRBが18日公表した経済見通しでは、24年末の金利を4・4%と予測し、年内に通常ペースで2回分の利下げを見込んだ。11月と12月に開催されるFOMCでの対応にも注目が集まる。

また、24年10~12月期の物価見通しは2・3%上昇とし、6月時点の予測から0・3ポイント引き下げてインフレ抑制が早く進むとの分析を示した。24年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比2・0%増と6月時点の予測から0・1ポイント下方修正した。

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