「逆カルチャーショック」の日本生活 コリアン・タウンに韓国人店員がいない 東京発世界

ソウル支局から帰任し、2カ月が過ぎた。赴任期間は3年ほどだったが、その程度でも日本生活の「逆カルチャーショック」を受けることは多い。猛暑の中、子供2人を前後に乗せたママの自転車が行き交う風景も久々に見ると衝撃的で、育児の苦労に頭が下がる。

ソウル赴任前に比べ明確な変化を感じることの一つは、コンビニの外国人店員の増加だ。韓国のコンビニは一般的に店員が無愛想で「いらっしゃいませ」の挨拶(あいさつ)もないため、しっかりと教育された外国人店員に丁寧な応対をされるのは不思議な感じがする。

韓国では、外国人労働者や住民なしには経済も地域コミュニティーも成立しない地方の現状を取材してきた。少子高齢化や受験戦争の過熱など共通の課題を抱えつつ、単純な比較が難しい分野も多い日韓。最も互いの参考になるのは移民・労働者問題ではないかと感じ、今後も取材を深めたいと思っている。

ところで、帰任後に最もショックを受けたのは「韓流」の街、東京・新大久保でのことだった。立ち寄った2軒の韓国料理店の店員は共に東南アジアの留学生で、韓国語が通じなかったのだ。日本人だけでなく、すでに外国人の求人さえ難しいのか。コリアン・タウンの雰囲気を楽しむことすら、ぜいたくな時代なのかもしれない。(時吉達也)

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