NATO、次期事務総長にオランダのルッテ首相を選出

【ロンドン=黒瀬悦成】北大西洋条約機構(NATO)は26日、今年10月1日に任期を終えるストルテンベルグ事務総長の後任にオランダのルッテ首相を選出したと発表した。

対抗馬として名乗りを上げていたルーマニアのヨハニス大統領が今月20日に出馬の取り下げを発表し、加盟全32カ国がルッテ氏支持で一致した。

ロシアによるウクライナ侵略が長期化する中、ルッテ氏は加盟国のウクライナ支援の調整に加え、ロシアの脅威増大に伴う欧州防衛の強化で手腕を試されることになる。

ルッテ氏は2010年にオランダ首相に就任し、同国史上最長の在任期間を誇る。昨年7月に連立政権が崩壊し、現在は次期政権発足までの暫定首相を務めている。ウクライナに対するF16戦闘機の供与で米欧諸国を主導するなど、ウクライナへの軍事支援に積極的に取り組んできた。

ストルテンベルグ氏はロイター通信に対し「ルッテ氏は米国と欧州の関係を重視する強力な指導者で、合意形成にもたけている。NATOを安心して任せられる」と述べた。

ストルテンベルグ氏はノルウェー首相を経て14年に事務総長に就任。通常4年の任期を2期分務めたが、22年2月からのロシアによるウクライナ侵略を受けて同年と23年に任期が1年ずつ延長されていた。

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