「帝国の慰安婦」著者、無罪確定 韓国検察が再上告せず

【ソウル=時吉達也】慰安婦問題に関する著書「帝国の慰安婦」の記述で元慰安婦の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)罪に問われた韓国・世宗(セジョン)大の朴裕河(パク・ユハ)名誉教授(67)の公判で、無罪とした高裁差し戻し審判決が確定したことが24日、分かった。裁判所によると、検察側が19日の期限までに再上告しなかった。

朴氏は2013年8月に出版した「帝国の慰安婦」に関し、慰安婦が「売春婦」にあたり「日本軍と同志的関係にあった」などとする虚偽の記述で慰安婦の名誉を傷つけたとして、15年に在宅起訴された。1審無罪、2審逆転有罪となった後、上告審は公判が長期化し約6年を費やした。

韓国最高裁は昨年10月、問題となった著書の記述はいずれも「学問的主張、意見の表明」にとどまり、虚偽事実の記載にはあたらないと判断。無罪の趣旨で高裁に審理を差し戻し、ソウル高裁が今月12日に無罪判決を言い渡していた。

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