在北朝鮮スウェーデン大使館がコロナ禍を経て9月に業務を再開 英国やドイツ、スイスなども追随し、西側諸国の対北朝鮮外交が本格化

西側諸国の北朝鮮との外交関係は徐々に回復していくか

 北朝鮮が2020年、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で国境を閉じたことで、平壌の大使館を閉鎖していたスウェーデンの外交官が9月13日、ほぼ3年ぶりに平壌に戻り、大使館業務を再開したことが分かった。西側諸国のなかで大使館業務再開はスウェーデンが初めて。

 英国やスイス、ドイツなどの外交官も近く平壌に戻る予定で、北朝鮮との外交関係が徐々に回復することになる。米政府系報道機関「ボイス・オフ・アメリカ(VOA)」が報じた。

 スウェーデン外務省はプレスリリースで、2020年に首都ストックホルム戻っていた外交官が3年ぶりに平壌に着任し、「朝鮮半島の状況の平和的解決に向けたスウェーデンの継続的な努力は揺るぎない」とした。スウェーデンは1975年から平壌に大使館を置いている。

 スウェーデンが大使館の業務を再開したことで、今後、欧州諸国などの外交官が平壌に戻ることになるとみられる。

 ドイツは今年2月、外務省の職員を平壌に派遣し、ドイツ大使館の館内を点検させており、近く、外交官が平壌に戻ることになると発表している。

 英国外務省も7月、「我々は平壌の英国大使館を再開する準備ができており、状況を詳細に検討している」と明らかにしていて、大使館再開の条件が整い次第、外交官を復帰させる予定だ。また、スイスやポーランドも大使館業務再開に向けて準備を進めているという。

 このほか、国連児童基金(ユニセフ)も、北朝鮮への帰還の時期と詳細について議論が進行中であり、活動再開に向けて積極的に動いていると発表している。

 金正恩・朝鮮労働党総書記はこのところ核戦力の増強を訴えるなど対外的に強硬姿勢を強めているが、大使館の再開など西側の外交本格化が北朝鮮にどのような影響を与えられるのか注目される。

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