中国の80歳“反骨の女性ジャーナリスト”がSNSで「生命の危機を覚える」と訴え 治安当局が自宅の固定電話や携帯電話、インターネットを遮断か

中国当局の嫌がらせか

 中国で「反骨の女性ジャーナリスト」として知られる高瑜氏の自宅の固定電話や携帯電話、インターネットが8月26日から遮断され、生活が極めて不自由な状態に陥っていることが分かった。高氏はすでに80歳で、出歩くことも不自由なため、電話やインターネットといった重要なライフラインを止められたことで、生命の危険さえ覚えているという。

 中国当局の嫌がらせとみられるが、治安維持を担当する国家安全省は否定しているという。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 高氏は、1989年の天安門事件など民主化要求運動を精力的報道に、1年間投獄された。

 その後も、2015年には中国共産党が報道の自由や自由・民主主義・人権などの「普遍的価値」を批判している党内の内部文書「九号文件」を海外の報道機関にリークしたとして、国家機密漏洩罪で7年間の懲役刑を受けるなど、これまで計11年間も投獄されている。

 この間、中国の民主化実現のための記事を書き続けたことなどを評価され、国際女性メディア財団から2度も「勇気賞」を受賞している。

 高氏は中国当局から反共主義者として24時間監視体制を敷かれ、中国共産党の重要会議が北京で開催される際は、抗議行動ができないよう、地方への「旅行」を命じられこともあった。

 今回の自宅の電話やインターネットの遮断は予告なしで、北京市内のが設置した高齢者向けの緊急電話さえも通じなくなっており、高氏はSNSに「生命の危険を感じている」などと投稿している。

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