トランプ氏、着々と陣容固め=マスク氏ら起用、「忠誠」重視―1期目より早く、少ない反発・次期米政権

【ワシントン時事】トランプ次期米大統領が、政権移行プロセスを加速させている。大統領選の投開票が行われた5日から1週間で外交・安全保障関連の陣容を固め、実業家イーロン・マスク氏らの起用も発表した。2016年の最初の政権移行と比べ極めてスムーズで、反発もほとんど見られない。
米メディアによると、トランプ氏は選挙後最初の週末、南部フロリダ州の邸宅「マールアラーゴ」近くのゴルフ場で、マスク氏を会員らに紹介して回った。17歳の孫娘らと昼食を楽しむ姿なども目撃されたという。
移行チームはこの間も、第2次政権入りする候補者を吟味。9~11日にかけて不法移民送還の責任者、国連大使、政策担当の次席補佐官らの名前が相次いでメディアにリークされた後、トランプ氏が声明で発表する形式が取られた。
12日には、国防長官に退役軍人で保守系のFOXニュース司会者ヘグセス氏を、中央情報局(CIA)長官にラトクリフ前国家情報長官をそれぞれ指名。マスク氏は、行政の効率化と歳出削減を図る新組織のトップに就くと明らかにされた。
人選に当たり、トランプ氏は「忠誠心」を最も重視しているとされる。米メディアによれば、幅広く周囲に意見を求める中で、ビジネス界や、SNSで多くのフォロワーを持つ人物の助言を取り入れている可能性がある。長男ドナルド・ジュニア氏ら家族や、7日に大統領首席補佐官に任命されたワイルズ氏の影響力も伝えられる。
16年との違いはスピード感だ。前回、要となる国務長官や国防長官が指名されたのは12月に入ってから。トランプ氏はその際、ニューヨークのトランプタワーなどで、企業幹部や元軍高官ら候補者を一人ひとり面接した。
当時は民主党だけではなく共和党内からも、強硬派の起用などに批判や再考を求める声が噴出。全米の10都市以上で「反トランプ」デモが連日続いた。対照的に今年は、トランプ氏が大統領選の勝利を早々と決めた後、政権移行プロセスへの反発や抗議デモはほとんど起きていない。


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