ベルリンの壁崩壊から35年=反独裁へ「過去より今」―ドイツ

【ベルリン時事】東西冷戦の終わりを象徴するベルリンの壁崩壊から9日で35年を迎えた。市中心部では壁の跡地に沿い、「自由」をテーマにしたプラカード約5000枚が展示されるなど、記念の催しが開かれている。
プラカードは共産主義独裁体制だった東ドイツの変革を求めた当時の抗議運動をイメージして、市民が作成した。ショルツ首相は9日のビデオ演説で「世界を見渡すと平和や自由が当たり前ではないことが分かる。(壁が崩壊した)1989年のメッセージが今ほど意味を持つことはない」と述べた。
米大統領選では、独裁的な振る舞いが指摘されるトランプ前大統領が復権。欧州では、権威主義的な政治勢力が勢いづいている。記念行事に招かれた南米ベネズエラの野党指導者レオポルド・ロペス氏は「過去の出来事を祝うのではなく、独裁者に立ち向かうために今、何をするか見詰め直す時だ」と訴えた。
ベルリンの壁は西ドイツの飛び地だったベルリン西部を囲んだ全長155キロの壁で、61年に建設が始まった。東独市民が西独へ逃げることを防ぐため作られた。


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