イスラエル、ガザとレバノンで攻勢=学校空爆、国連要員負傷も

【カイロ時事】イスラエル軍は7日、パレスチナ自治区ガザ北部のガザ市で避難民が身を寄せる学校を空爆し、少なくとも10人が死亡した。イスラエルは隣国レバノンでも空爆を継続し、国連要員が負傷。ガザとレバノンの両方で攻勢を強めているもようで、人道状況悪化への懸念が広がっている。
ロイター通信によると、イスラエル軍は学校空爆について、イスラム組織ハマスの司令部を狙ったと説明した。イスラエルは、ハマスが民間施設を軍事目的で使用していると批判している。
また、ハマス再結集阻止のためとしてイスラエル軍が攻勢をかける北部のベイトラヒヤでは、戦車が侵攻し数十の家族が避難を強いられた。ガザ北部の住民は、支援物資が10月以降は届いていないと訴えている。パレスチナ当局者は、イスラエルが「民族浄化」を進めていると非難した。
米国務省のミラー報道官は7日、ガザへの物資搬入拡大のため、新たな検問所を「数日内に」開放するとイスラエルから伝えられたと明らかにした。ブリンケン米国務長官らはイスラエルに宛てた10月13日付の書簡で、30日以内にガザの人道状況が改善しなければ、軍事支援を見直す可能性があると通告している。
一方、国連によれば、イスラエル軍は7日にレバノン南部を空爆。民間人3人が死亡したほか、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のマレーシア人要員5人が負傷した。イスラエル軍が9月末、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ掃討のため同国南部へ地上侵攻を開始して以降、UNIFILはたびたび攻撃を受けている。


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