分断社会、消せぬ亀裂=選挙後も遠い融和―米大統領選

米大統領選から一夜明けた6日、全米各地でトランプ前大統領の支持者が勝利に歓喜する一方、敗北したハリス副大統領の支持者は落胆を隠せなかった。米社会を分断した激しい選挙戦は、消せない亀裂を残した。
ハリス氏は6日、ワシントンにある母校ハワード大で演説して敗北を認め、平和的な政権移行に協力すると表明した。トランプ氏も同日の勝利宣言で「4年間の分断を過去のものにする時だ」と呼び掛けた。
しかし、ハワード大に駆け付けたジョアン・ファンドスタインさん(62)は「分断をあおったのはトランプ氏だ。融和は非常に難しい」と悲観的だ。ナタリヤ・マクローリンさん(31)も「私も他のハリス氏支持者も、女性や人種的少数派(マイノリティー)の権利のためにこれからも戦い続ける」と言い切った。
メリンダ・コリーさん(56)は「トランプ氏がこの国を一つにまとめ、進むべき方向に導くのに最適な人物だと思わない」と嘆いた。「社会がこれほど分断されたことはない。指導者には何も期待していないが、せめて国民が融和できることを望む」と声を絞り出した。
ハリス氏の地元カリフォルニア州でも失望が広がった。イブ・オカムラさん(30)は民主、共和両党の2極化を懸念し、「全ての人の利益になるようバランスを取ってほしい」と語った。
一方、南部フロリダ州パームビーチにあるトランプ氏の邸宅「マールアラーゴ」の近くには、勝利を受けて支持者が集結した。デービッド・コーリーさん(69)は「うれし泣きしたよ」と顔をほころばせ、トランプ氏の名前が入った旗を振りかざした。ベトナム系米国人のエム・リーさん(62)も「トランプ氏は人種に関係なく全ての人々のための大統領だ」と期待感を示した。



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