イラン、数日内に再報復か=対イスラエルで強硬姿勢

【イスタンブール時事】イスラエルによる報復攻撃を受けたイランが、再報復するとの見方が強まっている。米CNNテレビは、5日投票の米大統領選前にも「決定的で痛みを伴う対応」に踏み切る可能性があると報じた。攻撃から2日で1週間となる中、イランで強硬論が高まっているもようだ。
イスラエルは大規模ミサイル攻撃への報復として、10月26日にイラン国内のミサイル製造施設や防空システムを空爆。ネタニヤフ首相は同31日、「イランの急所を攻撃した。必要ならイランのどこにでも行ける」と成果を誇示した。
一方、イランのナシルザデ国防軍需相は「敵は攻撃、防御両システムへの打撃を狙ったが、多くは成功しなかった」として、ミサイル製造に支障はないと主張した。同国政府報道官は攻撃後、来年の国防費を3倍に増やす予算案を国会に提出したと発表。軍事力強化で対抗する構えだ。
イランの最高指導者ハメネイ師は、イスラエルの攻撃翌日の演説で「誇張も過小評価もすべきでない」と発言。「国家に最善の利益となることが行われるべきだ」と述べ、再報復の可能性を完全には排除しなかった。
イスラエルの攻撃ではイラン精鋭軍事組織「革命防衛隊」の拠点も打撃を被ったと伝えられ、サラミ司令官は「(イスラエルにとって)想像できない苦い結果を招く」と警告した。防空網に甚大な被害が出ているとすれば、攻撃の応酬が続く場合はイランに極めて不利となるものの、「われわれは40年以上、攻撃されれば必ず反撃してきた」(ファダビ革命防衛隊副司令官)と強硬姿勢を崩していない。
米ニュースサイト「アクシオス」は、イランが隣国イラクから多数の弾道ミサイルやドローンを発射する準備を進めていると報道。国外の親イラン勢力を通じて攻撃することで、自国の主要施設への反撃を回避する狙いもあると伝えた。ただ、イスラエル軍のハレビ参謀総長は「イランが再び過ちを犯せば、今回狙わなかった場所を激しく攻撃する」とけん制しており、報復の連鎖に拍車が掛かる恐れもある。


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