安保理、UNRWA禁止法案に懸念=イスラエルは反論

【ニューヨーク時事】国連安保理は9日、パレスチナ自治区ガザ情勢を協議する会合を開いた。イスラエルが国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を事実上禁止する法案の審議を進めていることについて、後ろ盾である米国を含む大半の理事国から懸念の声が上がった。
UNRWAはガザやヨルダン川西岸などで、パレスチナ難民を対象に人道支援を提供する国連機関。イスラエルはイスラム組織ハマスに支配されているとして、UNRWAの国内での活動を認めない法案の成立を急いでいる。
トーマスグリーンフィールド米国連大使は会合で、法案に「深い懸念」を表明した上で、UNRWAは「ガザ支援に不可欠だ」と強調。山崎和之国連大使も「(UNRWAは)保護されなくてはならない」と語った。
これに対し、イスラエルのダノン国連大使は「(ハマスの影響下にあるUNRWAを)修復することは不可能だ」と反論した。グテレス事務総長は8日、法案が成立すれば「大惨事だ」として法案の撤回を呼び掛けている。

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