投票所での「ゾウ害」懸念=爆竹で対策―スリランカ大統領選

【コロンボ時事】スリランカで21日に行われる大統領選で、野生のゾウが投票所を訪れる有権者の邪魔をする事態が懸念されている。ゾウはスリランカを象徴する動物だが、作物を食い荒らしたり人を襲ったりする「ゾウ害」も深刻化。当局は有権者の安全確保に向け対策を講じている。
地元紙デーリー・ミラー(電子版)によると、中部クルネガラの選挙区だけでも約100の投票所で、有権者とゾウが鉢合わせする危険がある。選管幹部は同紙に、野生生物保護当局と連携し「有権者が安全に投票所を訪れて選挙権を行使できるよう、担当者が爆竹を持って待機している」と語った。
英BBC放送によれば、スリランカでは昨年、176人がゾウに襲われ命を落とした。一方、同年に死んだゾウ470頭の半数は、人間によって殺された。農地の拡大でゾウの生息域が狭まっていることが、双方の被害拡大をもたらしているとされる。
世論調査によると、大統領選では野党・人民解放戦線(JVP)のディサナヤカ党首が先行。野党・統一人民戦線(SJB)のプレマダサ党首が続き、現職ウィクラマシンハ氏が3番手で追う展開となっている。


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