「お前のからだ、俺の選択」 米大統領選後、女性への差別的投稿急増

米ワシントンで2024年11月2日、ウィメンズ・マーチでプラカードを掲げる参加者=AP

 5日の米大統領選以降、米国の女性がソーシャルメディア上で性差別的な誹謗(ひぼう)中傷の嵐に直面している――。そんな報告書をロンドンのシンクタンク「戦略対話研究所」(ISD)が発表した。男性優位主義的なインフルエンサーらが、トランプ前大統領の勝利に乗じてリプロダクティブ・ライツ(生殖に関する権利)や女性の権利促進の動きを批判していると分析。影響の広がりを懸念している。

 報告書によると、ISDは11月4日からX(旧ツイッター)やTikTok、Facebookなど主要なSNSで女性を標的とした投稿を追跡した。最も目立ったのは「Your body, my choice」(お前のからだ、俺の選択)というフレーズの投稿で、投開票日の5日には1千回以上言及され、8日にはピークとなる1万2千回以上の言及があった。Xでは他にも女性蔑視的な発言が5日だけで4万2千以上のアカウントから6万4千件以上投稿されたとした。

 「Your body, my choice」というフレーズは、女性のからだに関する選択は女性が決める権利を持つべきだという意味を込めた「My body, my choice」(私のからだ、私の選択)というスローガンをもじった造語だとみられる。端緒の一つとなったのは、Xで40万人以上のフォロワーがいる極右のインフルエンサー、ニック・フエンテス氏が大統領選の結果を受けて投稿した「Your body, my choice. Forever」(お前のからだ、俺の選択。永遠に)という投稿だった。この投稿はX上で9千万回以上表示され、発言は他のSNSにも拡散。TikTokやFacebookでも同様のフレーズが女性に対して投げかけられたり、トレンドにあがったりすることが相次いだという。

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