専門性よりもトランプ氏への忠誠重視 新政権にマスク氏や元司会者

起業家のイーロン・マスク氏=ロイター

 トランプ米次期大統領が12日、第2次政権の重要人事を相次いで発表した。「政府効率化省」と称する組織を設けて起業家イーロン・マスク氏をトップに据える。国防長官には、政治経験の乏しい司会者ピート・ヘグセス氏を選んだ。専門性よりもトランプ氏への忠誠や価値観の一致を重視し、大統領個人の意向を強く反映した統治を進めようとする姿勢がにじむ。

 11月5日の大統領選から1週間、トランプ氏は表舞台に姿をみせることなく、フロリダ州の邸宅で人事に取り組んできた。2016年の初当選時に比べ事前の準備が進んでいたとみられ、矢継ぎ早に主要人事を発表している。

 選挙戦に寄与したマスク氏の起用先が注目されていたが、新設の「政府効率化省」に決まった。「官僚主義の解体や過剰な規制の緩和、無駄な支出の削減」などを目指した組織とされ、マスク氏が親トランプ派の実業家ビベック・ラマスワミ氏とともに率いることになる。政府外から助言する立場だとトランプ氏は説明しており、正式な省とは異なる位置づけだ。

 トランプ氏は声明で、原爆開発の事業名になぞらえ「現代のマンハッタン計画」になると宣言した。「年間6兆5千億ドル(約1千兆円)に上る政府支出から、膨大な無駄遣いや不正を一掃する」とも述べた。米国の独立宣言から250周年にあたる26年7月4日までに、業務を完了させる計画だという。

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