フィリピン、オンライン賭博施設を禁止 「経済利益より犯罪リスク」

フィリピン北部バンバン市中心部のPOGO。すでに営業停止している=2024年11月8日、大部俊哉撮影

 フィリピンのマルコス大統領は8日、「POGO」と呼ばれるオンラインカジノ施設を全面禁止にする法令に署名した。年内の営業停止を命じる。POGOは多くが中国人向けで、特殊詐欺や人身売買などの犯罪の温床になっているとして社会問題になっていた。

 POGOはフィリピン・オフショア・ゲーミング・オペレーターの略。施設内で賭博をするカジノ施設と異なり、国外からオンラインで参加できる。前ドゥテルテ政権下の2016年に制度化され、公社が監督やライセンス発行を行い、雇用や経済効果も生み出してきた。

 法令は全面禁止の背景について、「犯罪の増加や弱者からの搾取といったリスクを社会にもたらし、悪影響が経済的、社会的利益を著しく上回っている」としている。

 実際に、業者の摘発や、強制的に働かされていた被害者の救出が相次いでいた。

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