習氏、APECとG20出席へ南米訪問 米中、日中首脳会談も調整
中国外務省は8日、習近平(シーチンピン)国家主席がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席するため、南米ペルーとブラジルを訪問すると発表した。会議に合わせて米バイデン大統領、日本の石破茂首相とそれぞれ会談する可能性がある。
習氏は13~17日にAPEC首脳会議が開かれるペルーを、17~21日にG20サミットが開催されるブラジルを訪問する。G20サミットをめぐっては、インドで開かれた昨年は習氏が国家主席就任後初めて欠席。議長国のインドと国境紛争をめぐる緊張があったことが理由として取りざたされた。
南米訪問中には米中、日中首脳会談が調整されている。ただ、米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利し、バイデン大統領のレームダック(死に体)化が進むとの見方もあり、会談にメリットが見いだせないと判断した場合は習氏が会談を避ける可能性もある。習氏は7日、トランプ氏へ祝電を送り「新たな時期の中米の正しい関係へ歩み出すことを望む」などとして対話を呼びかけている。
一方、石破首相は習氏との会談に意欲を示しており、日中当局間で調整が進んでいる。日中外交筋は「最低でも『戦略的互恵関係』を確認し、後はその他の成果をどれくらい上乗せできるかだ」と話す。福島第一原発の処理水放出を受けた日本産水産物の禁輸措置の早期撤廃や、在留邦人の安全対策などを求めるとみられる。(北京=井上亮)
11/08 12:23
朝日新聞社